催眠TV
〜第1話〜


「では、まず自己紹介からどうぞ。まずは3年生から」
 そう言うと、打ち合わせをしていたのであろう、即座に一人の少女が立ちあがった。
「はい、○○○○です。
 トップが…、アンダーが…、の…カップです」
 その少女は、カメラを見つめながら、自分の胸のデータをしゃべり出した。
 モニターには、はきはきとしながららも、少しはにかむ少女の表情と、2つの突起物を見せている白い体操服のふくらみとが映し出されている。
「…、乳頭の直径は○○cm、乳首の直径は○○cmです。
 それから…」
「…、形状は乳房が林檎型です。
 乳首は扁平型です。
 …」
 一人の少女が言い終わると、即座に次の少女が立ちあがり、恥ずかしい自己紹介をしていく。
 その統率された様子は、まるで軍隊のようでもある。
 しかし、発表を終えた少女は、みな一様に羞恥心をあらわにしている。
 実は、自分の自己紹介を終えると、「正気に」戻るように暗示がかけられているのである。
 恥ずかしいながらも従順に命令に従っていた少女たちであるが、自己紹介を終えると、たちまちいま自分のした発言がいかに恥ずかしいことなのかを強制的に自覚され、それによって激しい羞恥心に打ち震えさせられているのだ。
 両手で胸を覆い、前のめりになる少女。
 顔を両手でふさぐ少女。
 泣き出す少女。
 スタジオ全体に、重苦しい雰囲気が漂いながら、自己紹介が終わった。
「はい、ありがとうございました」
 司会者がそういうと、みな何事もなかったかのようにふるまいだした。
 先ほどまでと同じように、羞恥心を持ちながらも従順に進行に従い出したのだ。
「では、集計の結果を発表します。
 まずは平均値から。
 3年生は…」
 司会者はこれまでの自己紹介をもとに作られたさまざまなデータを発表していった。
 一見、まじめな教育番組のような雰囲気でありながら、司会者がデータを読み上げるごとに、それにあわせあちらこちらでビクッと体を振るわせる少女たちであった。
 そしてカメラにアップにされるとみな、はにかみながらもぎこちない笑顔をふりまき、胸を強調するように突き出すポーズをとるのであった。
「みなさま、わかりましたでしょうか。
 これが、現代の少女の実態なのです!!」


文章:帰ってきた暴走アフラマズダ十三世7(元は)さん


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