催眠TV
〜第3話〜


 6人の少女が横一列に並ばされた。
 みな、その立派に成長している二つの丸いふくらみをあらわにしている。
 その先端部分は覆われているとはいえ、破廉恥な水着姿には変わりなかった。
「今回の検証に協力してくれる女の子たちを改めて紹介しましょう。
 3年、枡田彩子ちゃん」
「はい」
 彩子は返事に合わせ、その場でジャンプをした。
 当然、それにつられプルンっと、いやらしく胸がゆれてしまった。
 カメラにはその様子がアップで、しかもスローモーションで映し出されていた。
 そこにはご丁寧に、先ほど発表した胸のデータの字幕まで入っている。
「佐倉さゆりちゃん」
「は、はい」
 次々と司会の声に合わせ、ジャンプしながら返事をしていく少女たち。
 いろいろな形をした12個のボールが、それそれ違ったゆれ方を披露し、「巨乳」の自己紹介が終わった。
 すると彩子が一歩前に出た。
「みなさん、私達は見てのとおり、きょ、巨乳です…。
 つまり人に比べて、お、おっぱいが大きいということです。
 みなさんはこのおっぱいのことをいろいろと言いますが、無責任なことを言われて私達は傷ついています。
 今日はみなさんに、おおきなおっぱいを持っているということがどんな状態なのかを知ってもらいたいと思います」
 コンプレックスであり、できることなら隠しておきたい「巨乳」。
 卑猥な水着を着けた胸をカメラにさらすだけでも少女達は顔を赤く染めてしまっている。
 にもかかわらず自ら「巨乳」「おっぱい」と言わされることでさらに屈辱感を与えられている。
 それでも彩子は続けなければならない。
「…では、まず重さから測ります」
 そう言うと、目の前には「はかり」の乗せられた台が運ばれてきた。
 彩子は腰をかがめ、右の胸を「はかり」の上に乗せた。
 重さを示す目盛りが上昇するにつれ、彩子の胸のいやらしく形を変える。
 「3年、枡田さんの右は…、○○グラムです!」
 司会の声に合わせ、客席が盛り上がる。
 彩子はこの場から逃げ出したい気持ちを必死にこらえ、今度は左側を測りに乗せた。
「左のおっぱいは…、○○グラムだ!」
 それに合わせ、また客席から拍手喝さいが贈られた。
 そのあまりにも屈辱的な扱いに、彩子は必死に耐えていた。
 そんなことにはお構いなしに司会者はポケットからペンを取り出した。
 彩子の前にかがむと、今重さを計られるという恥辱を受けた胸にペン先を当てた。
「えっと枡田さんは…、右が○○!」
 はっきりと聞こえるような独り言をいいながら、ペンを動かす。
 彩子の胸はそれに合わせ形をゆがめる。
 客席はそれに対しどよめく。
 彩子は目をつぶり、必死に耐えるしかなかった。
「…これでよしっと。
 では枡田さん!」
「は、はい…。3年枡田彩子です。
 右○○、左○○です!」
 とびっきりの笑顔で彩子は答えた。
 しかし、眼鏡の奥の目は、真っ赤になっていた。


文章:帰ってきた暴走アフラマズダ十三世7(元は)さん
挿絵:いなつきほなみさん


戻る