週刊聖女新聞 号外
〜三叉槍型自立式バイブ棒〜



 聖女学園の研究所で新たに開発された三叉槍型自立式バイブ棒――仮称「トライデント」――の試作品が学園に納められ、早速試運転が行われることとなった。
 その被験者は無作為に抽出されることとなり、2年生の真由美が、その役目を負うことが決定した。
 当然だが、本人の意思確認などは行われることはなく、また被験者への事前通達もなければ、拒否権が与えられることもない。
 朝、登校した生徒たちの目に映ったのは、教室の真ん中に自立する、高さ1メートルの、先端が三又になったバイブレータの姿だった。

 自分の席の椅子が取り払われ、代わりにそびえ立つ1本の凶悪なバイブ棒を目にした真由美は、嫌な予感に襲われながらも、決して逃れることはできないであろうことを、長きに渡る学園生活の中で心と身体に覚え込まされていた。

 一日のはじまりを告げるチャイムの音とともに教室に訪れた担任教師の玲子と副担任の亜希子が手にする不思議な形の金属フレームを目にした真由美は、自らの予感が悪い形で的中していることを思い知らされたのだった。




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原案:ユリスさん
文章&イラスト:ロック


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