第18章


 由紀と希は、トイレに行って恥ずかしい排尿を終えた後、自分たちの部屋へと戻ってきた。
 2人は、トイレの後顔が上気し、身体を震わせ、何かを我慢しているようである。
 特に、由紀の方は今にも崩れんばかりに体の力が抜けているようにも見える。

 これは、この寮にしかけられたある仕掛けのせいであった。
 

「の、希ちゃん・・・・
 わ、わたし・・・変・・・・」
 部屋に着くなり、由紀は床に座りこんで肩を上下させている。
 ときおり、身体を震わせては、両手を股間に持っていこうとし、ためらうようにその手の動きを制する。
 由紀は、今、明らかに発情していた。

 そんな由紀の様子を、こちらも顔を赤くし、わずかに荒い息をしている希が見つめている。
 もちろん、希には、自分たちの体の変化の意味、そしてその理由についてもわかっている。
 希は、震える自分の身体を何とか抑えて、座りこんでいる由紀のそばに膝をつき、両手を由紀の肩に回すように抱きかかえて、説明をした。

「由紀ちゃん、これはね・・・この身体の疼きはね、寮にある仕掛けのせいなの・・・。
 この寮にあるものの中で、わたしたち女の子の身体につくものには、全部、催淫剤が混ざっているのよ」
「え、な、何?
 『さいいんざい』?」
 由紀は、身体の中から沸き起こる衝動に何とか抵抗しつつ、希の話を聞いていた。
 しかし、希の言葉の意味がさっぱりわかっていない。

「そう、催淫剤よ。
 わたしたち女の子をいやらしい気持ちにさせる薬のこと」
「いやらしい・・・気持ちに・・・・?」
「この寮のお風呂の水や、ボディーソープ、そして、さっき使ったトイレのウォッシュレットの水。
 わたしたちの身体、特に・・・あそこに触れるものには全部催淫剤が混じっているわ」
「お風呂・・・・ボディーソープ・・・・・・トイレ・・・・・・・・」
 既に、由紀の目はぼんやりと潤んでいて、焦点がはっきりしていない。
 そんな由紀に、なおも希が説明を続ける。
「そう、そして、この寮内をいつも適温に調整しているエアコンの噴き出し口からも、常に霧状の催淫剤が吹き出ているらしいわ。
 この寮の中で暮らす以上、この薬から逃れることはできないの」
「そ、それじゃあ・・・・・、わたしの・・・身体が、へ、変なのは・・・・」
「うん。
 寮のいたるところに仕掛けられた催淫剤のせいよ。
 はじめの内は、大したことないんだけど、だんだんと効いてきて、夜になると、身体じゅうが敏感になって、たまらなくなってくるの。
 わたしも・・・・もう・・・・あ、あそこが疼いちゃって・・・・」
 そう言うと、希は片手を自分の股間に持っていき、短パンの上から、押さえつけるようにして、眉間にしわを寄せた。
 

 「あ・・・わ・・・わたし・・・・」
 希のこの上なく恐ろしい説明を聞いた由紀は、恐る恐る自分の股間に目を向けた。
 そこには、水玉模様の水色のパジャマがあったが、それは、既に変わり果てた姿になってしまっていた。
 由紀の股間の部分を中心に、びっしょりと濡れてしまっているのだ。
 由紀の目には入らなかったものの、パジャマのお尻の部分も、すべてびしょぬれになって、床に押しつけられている。
 もちろん、さっきトイレに行って用を足してきたので、おしっこを漏らしたわけではない。
 由紀の股間を濡らしているのは、まぎれもなく、由紀の淫裂の奥から湧き出したいやらしい愛液であった。

 由紀は、自分の下半身の様子を目にした途端、慌てて両手を股間に持っていき、恥ずかしい割れ目の部分を押さえつけようとした。
「あああああぁぁぁ!!」
 しかし、由紀の両手が敏感な秘肉に触れた瞬間、由紀はのけぞって嬌声を上げた。
 そして、由紀の淫裂の奥からは、さらに大量の淫汁が噴き出す。
 もう、由紀の股間からは、どんどん愛液が流れ出しており、刻一刻と部屋の床の水溜りを広げていく。
 

 そんな、由紀の異常な様子に希が慌てる。
「ゆ、由紀ちゃん!!
 大丈夫?!
 どうしたの、一体。
 いくらなんでも、こんなには・・・・。
 もしかして、由紀ちゃん!
 あそこにたくさん催淫剤の入ったものを塗りつけたりしなかった?!」
 由紀は、半ばうつろなまなざしで希を見つめて、荒い息の合間から、かすれた声で答えた。
「わ、わたし・・・・・
 お風呂で・・・か、身体を洗う・・・ときに・・・・あふぅ!!
 う、うううぅぅぅ・・・
 と、ときに・・・・胸と・・・あ、あそこを見られないようにって・・・・
 たくさん・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・
 た、たくさん・・・・石鹸の泡を、あそこと・・・胸に・・・つけた・・・の。
 はふぅ、ふぅ・・・
 で、でも・・・・鏡のせいで・・・・あそこの中に入った・・・・石鹸を・・・・くひぃ!!
 きれいに流せなくて・・・・・・ああああぁぁぁぁぁ!!!!」
 由紀は、何度も、何度も喘ぎ声を交えながら、ようやく、お風呂場での一件を希に打ち明けた。

 しかし、その内容を聞いた希は、青い顔をしてつぶやく。
「そ、そんな・・・・あのボディーソープは、この寮の中でも、かなり強い催淫効果があるのよ・・・・。
 それを、あそこにたくさん塗りつけて・・・・・
 しかも、洗い流さなかったなんて・・・・・・」

 そんな、希のつぶやきも、もはや由紀には届いていない。
 由紀は、何とか身体の疼きを静めようと、必死になって股間に手を差し伸べようとしている。
 しかし、生来の潔癖症、そして自慰の経験すらない由紀には、自分のいやらしい割れ目をいじるという背徳の行為に身を委ねるのに、大きな抵抗を感じていた。
 ましてや、ここは男子からも丸見えの部屋の中である。
 並みの羞恥心では済まされない。
 由紀は、必死の思いで身体の疼きに耐えようと気力を振り絞る。
 しかし、由紀の意思とは関係なく、身体の方が勝手に反応してくるのだった。
 由紀の右手はためらうように震えながら、股間から広がる理不尽な要求にこたえようと、本人の意思とは関係なく動き出した。
 そしてとうとう、手が恥ずかしい部分にわずかに触れた瞬間、
「くひっひぃぃぃぃ!!!!
 あああぁぁぁ・・・・んあぁあ!!」
 余りの刺激の強さに、寮内中に響き渡るのではないかというほどの悲鳴のような喘ぎ声を出して、身体を弾かせてしまった。
 しかし、一向に股間の疼きが収まる気配はない。それどころか、より一層の刺激を求めて、さらに大量の淫汁で床を汚してしまうのだった。
 

 由紀の余りの乱れように、希は、自分の股間がそれに呼応するように疼いてくるのがわかった。
(ゆ、由紀ちゃんのいやらしい姿を見て・・・・あぁ・・・わ、わたしまで・・・・・)
 希は、恐る恐る右手を自分の股間の最も敏感な部分に持っていった。
 そして、ズボンの上から、そっと触れてみる。
「くうううぅぅぅぅっ!!」
 触れた瞬間、希はのどを反らし、脚を力いっぱいぴったりと閉めて快感に耐えた。
(だ、だめ・・・いつもより・・・敏感に・・・・)
 希は、脚を左右に折り曲げ、ぺったりと床にお尻をつき、女の子座りの状態で短パンのホックとファスナーを開け、部屋の鏡に背を向けた状態で、身体を前かがみに丸めるようにしながら、ショーツの中に右手を差し込んでいった。
(あぁ・・・やっぱり、濡れている・・・・・
 し、しかも、いつもより・・・どろどろに・・・・・・・うぅぅ・・・)
「あっ、あっ・・・・んあぁっ!!」
 希は自分の指の動きに合わせて、破廉恥な声を上げていく。
 

 この寮で暮らしている少女たちは、この寮のいたるところに仕掛けられた催淫剤のせいで、夜になると、強制的に興奮状態にさせられ、身体の芯から湧き上がる自慰の衝動に耐えることは絶対にできない。
 しかし、いくらいやらしい気持ちさせられたとしても、恥ずかしい気持ちがなくなるわけではない。

 希も、いつもであれば、夜にどんなに身体が疼いたとしても、鏡の向こう側にいるはずの男子たちの目を気にして、こんなところでオナニーはしない。
 ベットまで行き、布団の中で、激しくも静かにオナニーをするようにしている。
 しかし、きょうはだめだった。

 目の前でこの上なく淫らに振舞っているルームメイトに刺激され、とても、ベッドまで行くことすらできそうにない。
 それに、由紀に床の上での淫らな恥態を晒させたまま、自分だけベッドに入って隠れて身体を慰めるということもできなかった。
 

 希は、いつも以上に乱れ、愛液を撒き散らしている自分の割れ目を愛撫し、喘ぎながら、自分の横で淫らに舞っている由紀の方を見た。

 由紀は、先ほどと変わることなく、いや、さっきよりもさらに激しく、身を悶えさせていた。
 目は、焦点を失い、口からは、よだれを垂らしている。
 そして、床に仰向けに倒れて、両手をパジャマのズボンの中へと入れて、股間に埋めている。
 どうやら、手を股間に持っていくことにだけは成功したようである。
 しかし、パジャマの上からでも、由紀の両手の間から、とめどなく噴き出す愛液がはっきりとわかり、既に、水分をいっぱいまで吸ったパジャマからは、どろどろの淫汁が流れ出している。
 そして、由紀が指を動かすたびに、
「ひゃぁぁぁっ!!!
 んあぁぁぁ!
 ぐふぅぅっっっ!!」
 と、あられもない声を上げて身体をのけ反らす。
 のけ反って浮き上がった下半身からは、パジャマから溢れ出たいやらしい蜜が、水飛沫のように撒き散らされ、由紀や希の身体、そして、希の顔にまでかかっている。
 由紀は、今にも気が狂わんばかりに乱れていた。
 

(このままじゃ、由紀ちゃんが壊れちゃう・・・・
 きっと、自分の指じゃあ、満足できないんだわ・・・・・)
 希は、自分の横で、丘に上がった魚のように身体を弾かせて乱れている由紀を見て、「何とかしなくては」と思った。

 確かに、由紀は、自分の指の刺激に満足していなかった。
 きょうの朝まで処女であり、オナニーの経験すらも皆無の由紀の余りに稚拙な指技では、生まれて初めての身体の強烈な疼きを、そしてここまで高められた暴力的なまでの性欲を発散させることは不可能であった。
 希は、自分の身体から沸きあがる性の衝動に身を震わせながらも、ある決心をした。

「ゆ、由紀ちゃん・・・・
 こ、このままじゃ、由紀ちゃん・・・・壊れちゃう・・・・
 わ、・・・・わたしが手伝って・・・あげるわ」
 希は、今まで以上に顔を真っ赤にしながら、由紀に言った。
 希は、これまで女の子同士で慰め合うというレズ行為などしたこともない。
 いつも、強制的に湧き上げさせられる性の欲求を、自分1人で処理してきた。
 しかし、目の前の由紀には、今の由紀にそれを求めるのは無理のようである。
 希は意を決して、由紀の自慰の手伝いと、自分の身体のうずきを鎮めるために由紀に近づいていった・・・。


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