第137章



「よーし、それじゃあ、美奈ちゃんのほうもスリーサイズを測り終わったみたいだから、次は2人そろって測定しようか。
 もう随分オマンコも濡れ濡れになってきたみたいだから、まずはじめにクリトリスチェックからいこう。
 さっ、ふたりとも、そこでしっかりとクリトリスを剥き出しにするんだ」

 改めて希と美奈は並んで立たされて、新たな命令を受けていた。
 希と美奈の2人を散々辱めたにもかかわらず、まだ検査を継続するつもりなのである。
 この「生徒手帳検査」に時間制限はないし、検査項目の数に制限もない。
 つまり、検査する男子生徒の気が済むまでいくらでも少女たちを辱め続けることができるのである。

 希は、射抜くような視線を男子生徒に向けながら、一方美奈は怯える瞳を横にそらせながら、ゆっくりと指先を自らの股間に持っていき、そしてともに震える 指先で自らのいたいけな姫割れを開いた。
 希は激しい股縄責めのせいで、美奈はスリーサイズ測定のときに乳首やクリトリスをいじりまわされたせいで、2人の股間は、いまや傍目からわかるほどに濡れそぼっている。
 そんな恥ずかしい状態の割れ目を、自らの手で開いて見せなければならないのである。
 それが、この「生徒手帳検査」の決まりごとであった。
 「生徒手帳検査」を受ける女子生徒は、検査員である男子生徒に全面的に協力することが義務とされているのである。
 普段の登下校で通う道沿いの芝生の上で、太陽の光を浴びながら恥ずかしい姿を晒さなければならないふたりの少女は、もはや顔だけではなく、首筋まで真っ 赤に染まっている。
 誰にも見せたくはない、その少女の秘密を自分自身の手で暴かされる恥辱に、耐え忍ぶふたりの女子生徒たち。
 しかし、そんな羞恥に身を焦がす少女たちに、男子生徒たちの容赦のない声が飛ぶ。

「ほら、それじゃあまだ割れ目の中が見えただけだよ。
 僕は、『クリトリスを剥き出しに』って言ったんだから、そのとおりにしてくれないと、『生徒手帳確認協力義務違反』で、学園に報告するよ」

「……くっ……」

 男子の無慈悲な言葉に歯噛みしながらも、希はもう片方の手でクリトリスを半分ほど隠していたフードを引っ張り、桃色 の真珠を露にする。
 その姿を横目に見た美奈も、泣きそうな顔を希に向けた後、おずおずと手を股間に持っていき、慎ましく隠れようとしていた秘豆を摘むように剥き出し にした。
 それは、花も恥らう乙女が決して見せてはいけない惨めな姿である。
 それでも、「生徒手帳検査」を提示されて命じられた聖女学園の女子生徒であるふたりの少女には、それを拒むこともできなければ、抵抗することも許されな いのだった。
 目の前に恥じらいの突起を差し出させた男子生徒ふたりは、それぞれがノギスを手にしながらしゃがみ込んで、少女たちの股間を至近に捉える。

「どれどれ、それじゃあこの小さな豆粒が、どのぐらい成長したのか、確認してやろうか。
 それにしても、2人とももう濡れ濡れだね。
 クリトリスも、充血してヒクヒクいいながら勃起しているよ。
 本当にいやらしいお豆ちゃんだ。
 こんなふうに剥き出しにされて、固くしこらせているんだから、測ってくださいっていっているようなものだよね。
 それじゃあ、遠慮なく測らせてもらおうか。
 それっ!」

「……っ!!」

「どうしたの、希ちゃん?
 まだ、クリトリスを摘み上げただけだよ。
 それなのに、そんなに強張っちゃって」

 希は、男子生徒によって剥き出しにしたクリトリスを摘まれ、太ももを震わせる。
 身体じゅうで最も敏感な突起を無造作にいじり回されるのは、少女にとって耐え難い恥辱であるとともに、不本意な反応を晒してしまう女体が、さらなる屈辱 を呼び起こす。
 そんな希の反応を楽しむように……いや、間違いなく楽しみながら、男子生徒が摘んだクリトリスを右に左に、上に下に引っ張り回す。

「……くっ…………」

 しかし、そんな乙女の芽芯をいたずらされながらも、それを拒むことは許されない。
 そして、それは隣で羞恥の仕打ちを受ける美奈も同じだった。
 美奈の剥き出しのクリトリスは、男子生徒の指先で、引っかくように擦られ揉み込まれていた。
 わずかに腰を引いて、少しでも男子の手から逃れようとしながらも、明確に逃げることが許されない葛藤で、小さなお尻が震えている。
 目には涙さえも浮かんでいた。




 そんなふたりの生贄少女を目の前にした男子生徒が、ノギスを引き出しクリトリスに当てようとしたところで、横から突き刺すような声が聞こえた。

「あなたたち、何をしているのっ!」

 淫猥な雰囲気を吹き飛ばすかのような凛とした声が響く。
 希と美奈は、声の方に顔を向け、目を見開いた。
 そこに立っていたのは、三条院結衣香だった。
 聖女学園の3年生にして生徒会長を務める学園きっての才女である。
 厳しい表情で歩み寄ってくる結衣香に、希と美奈を辱めていた男子生徒の2人が、明らかに気圧されていた。

「あ、……結衣香先輩……な、なんですか……」

「これは、生徒手帳の確認作業で……」

 突然の乱入者にうろたえながらも、男子生徒は説明しようとしたが、その声を結衣香の声がさえぎった。

「生徒手帳確認の理由は?
 確かに、『生徒手帳検査証』があればいついかなる場所で確認しても構わないことにはなっていますが、そもそも確認にはそれ相応の理由が必要となります。
 検査証にも、『必要と認められれば』という但し書きがあります。
 『必要な理由』を今すぐ説明しなさい!」

 結衣香の毅然とした声に、男子生徒はさらに狼狽する。
 確かに、検査証には「必要と認められれば、いついかなる場所でも検査をすることができる」と書かれているが、「必要と認められれば」という言い回しはこ の学園では「必要と勝手に判断すれば」という意味合いに取られることと同義である。
 つまり、どんなこじつけであろうと「理由」が存在すればいいということで、男子生徒たちには好き勝手が許されていることを意味している。
 しかし、結衣香はそこを一刀両断に切り捨てる。
 さらに、男子たちが何か理由をこじつけようとする間を与えずに、さらなる追い討ちをかけた。

「私には、今ここで生徒手帳を確認する必然性を認めません。
 したがって、『生徒会長特権』により、確認作業の停止を命じます。
 即座に、ここから立ち去りなさい!」

 聖女学園の生徒会長には、「生徒会長特権」が認められている。
 これは、学園の規則に対する正当性確認という位置づけで、この学園で行われている事柄に対して、異議を唱え、その可否を問うことができる権利である。
 そして、それには校則に載っている内容もまた含まれている。
 しかし、あくまでも「可否を問う」ことができるだけであり、結果的に学園側から「妥当」との判断が下されればその行為や規則を修正することはできない。
 したがって、この「生徒会長特権」を用いたとしても、学園のいやらしい規則の数々を変更することは事実上不可能である。
 とはいえ、そんな「生徒会長特権」にもひとつの実用的な効果があった。
 それは、学園側に「可否を問う」として再審議を要請した場合、その結論が出るまでの間、その行為や規則の効力を一時停止させることができるのである。
 つまり、生徒会長である結衣香がこの特権を行使した場合、目の前で校則を後ろ盾として行われる男子生徒の破廉恥行為を、一時的ではあるが強制的にやめさ せることができるのである。

「な……、なら結衣香先輩の『生徒手帳検査』を要請します!
 り、理由は……」

 男子生徒は、さらにもう一枚の「検査証」を掲げてそう言った。
 なんと、このふたりの男子生徒はさらにもう一枚の「検査証」を隠し持っていたのである。
 これでさらに通りかかった女子生徒を毒牙にかけようと罠を張っていたのだった。
 しかし、その男子生徒が、理由を考えつこうとする間もなく結衣香に一蹴される。

「わたしは『生徒会長特権』によって、男子生徒単独での要請事項に対する『拒否権』が認められています。
 よって、その要請は理由のいかんを問わず却下します。
 また、同じく『生徒会長特権』によって、学園内の風紀を乱す可能性の高い『生徒手帳検査』という規則について異議を唱えます。
 現時点より、その『生徒手帳検査証』の効力は一時停止となります。
 したがって、その『生徒手帳検査証』は私が預かります」

 結衣香は、男子生徒が持っていた「検査証」をすばやく奪い取ると、そのまま破り捨てた。
 生徒会長には、特権として校則の正当性を問う権利が認められているために、その校則を一部超えた権限を有している。
 それは、校則に則ったものであっても、男子生徒が単独で生徒会長に命令することができないというものである。
 このふたつの権利を駆使して、結衣香は自分の身と、そして女子生徒たちの身を守っているのである。
 
「さぁ、これであなた方の後ろ盾はなくなりました。
 それでもまだこの2人に手を出そうというのなら、実力で退かせてみせますが?」

 結衣香は、スッと半身の姿勢をとり、臨戦態勢の様子を見せる。
 そのしなやかな身体には、不似合いなほどの実力を備えている結衣香。
 合気道を修めた彼女の実力を知らないものは、この学園にはいない。
 男子生徒2人といえども、素手で彼女と渡り合うことは不可能である。
 敵愾心を隠そうともしない結衣香の視線を受けた男子生徒たちは、反抗の気概さえなくスゴスゴと逃げ帰っていったのだった。

 男子生徒が立ち去った後、結衣香はその険しい表情を一気に崩した。

「希さん、美奈さん、大丈夫でしたか?」

 先ほどとは打って変わってやさしい表情で後輩の少女たちにいたわりの声をかける。
 美奈は、足元に落ちていた制服をかき寄せて縮こまった身体を隠しながら、「はい」と結衣香にこたえた。
 希も、「ありがとうございます」と言いながら、うれしさのあまり結衣香に抱きついた。

「結衣香先輩がいてくれたら、男子たちなんてへっちゃらですね!」

 希は、制服を着直しながら結衣香に笑顔で声をかけた。
 しかし、結衣香はそんな希に苦笑気味に答える。

「そんなことないわ。
 この学園での私の権限なんて、限られたもの。
 相手が考えなしの男子生徒だけなら辛うじて……というところよ。
 教職員が相手だと『生徒会長特権』も通用しないし、その上、職員室なんかの教員管轄エリアでは制限を受けるわ。
 そもそも私の目の届かないところでは、どうしようもないし……」

 それでも、結衣香の存在というのは、学園の女子生徒たちにとって唯一の希望となり得るのだった。


戻る