愛の力を信じよう 〜48時間チャリティ〜




   大仰なオープニングに続いて、メイン会場の司会者席に数人の男女が並んだ。全員、胸に「48」のデザイン入り
の緑色のTシャツを着ている。
「あらためまして、こんにちは、今年も恒例の48時間テレビが始まりました」
 総合司会を務める局アナの徳原が自己紹介をする。管理職を目前にした男性アナウンサーで、普段はニュース番組
をやっているベテランだ。
「今年のメインパーソナリティは、FLASHの伊東弘敏さん、そして、今人気絶頂のアイドル、火山朱美ちゃんでーす」
 自身もタレント並の人気を持つ栃尾貴美アナに紹介されて、二人が交互に挨拶する。
「この番組、子供の頃からずっと見てました。小銭を貯めたビンを募金したこともあるんですよ。だから、パーソナリティ
やれて、ホント感激です!」
 素直な感想を述べる朱美の表情には、チャリティ番組に対する醒めた態度は窺えない。昨年、栗田麻由を起用して
大失敗したディレクターの表情に安堵の色が滲む。伊東も男性アイドルグループFLASHの看板らしく、ちょいワルから
シリアスまでTPOに応じた対応ができるキャラだ。
「ところで、朱美ちゃん、昨年は10億8974万6549円集まりました。今年の目標額はいくらにしましょう?いや…、もち
ろん、募金はしていただける方の気持ちが大切で、1円でも尊いんですけど…」
「えーっ、じゃあ、11億円にします。みなさん、ご協力をお願いします」
 徳原にそう振られた朱美は、昨年のパーソナリティが犬猿の仲の麻由であることを意識して、昨年を上回る額を宣言
する。メイン会場と全国に設置された中継会場の観客が、いっせいに拍手して朱美に応えた。
「では、最初のコーナーは、水沢汐理ちゃんのヒューマン・ドキュメンタリー・レポートです」
 栃尾アナの声で、画面が切り替わった。



「みなさんは、セックスボランティアって、ご存じですか?」
 汐理の済んだ声が、真面目な口調でこう切り出した。
「セックスボランティアとは、身体または知的障害を持っていることが原因でセックスの機会を得ることが極端に少ない
か、セックスあるいは自慰行為を行うこと自体が物理的、肉体的に困難な人々に対し、その介助を行う事、またそれに
従事する人のことです。英語の頭文字をとってSVと略称されます」
 汐理のレポートは、セックスボランティアの現状と問題点を、実際にSVとして活動している若い女性、藤原明日香の
姿を通して描き出すものであった。
「…留学先のオランダから帰国した明日香さんは、様々な誤解や偏見とたたかいながら、SVとして活動しはじめます」
「性の問題って、生の問題だと思うの…」
 汐理のインタビューに答える明日香。少しも下品なところがなく、落ち着いた可愛らしい女性だ。
「障害者の性の悩みの相談に乗って、カウンセリングするのが日常の活動よ。でも、それだけで終わらせられなかった
の。オナニーの手伝いをしたり、時にはセックスを受け入れることも必要だって気づいたの…」
「…そして、私も明日香さんと一緒にボランティアを体験することになりました」
 汐理のアナウンスに続いて、明日香が彼女の覚悟を問う場面が映る。
「できるの?ホントに?」
「…やります。やらせてください」
 決意を込めた表情で汐理が答え、二人はある施設を訪問した。最初、明日香が入所者の男性とセックスする場面が
映される。自慰の介助だけでは我慢しきれなかった男性の欲求を、明日香が受け入れたのだ。
 そして、汐理の番になった。
「こんにちは、よろしくお願いします…」
 そう声をかけて、汐理は20代の男性A氏の部屋に入った。余命いくばくもなく、この世の最後の思い出にSVを頼んだ
のだと言う。
 両手を失った男性が汐理の前に仁王立ちになる。汐理は、彼のズボンとトランクスを下ろした。股間の肉棒がぶらぶ
らしている。
 汐理は瑞々しい唇を開き、舌を出して亀頭を舐める。甘美な舌を味わった男の怒張は、みるみる大きくなっていく。
 汐理は、時折、肉棒を舐めて唾液を塗しながら、柔らかな手で擦りあげる。白魚のような指を絡め、裏筋を舐めたり、
玉袋を吸いたてた。
「気持ちいいですか…」
「うん、うん…」
 A氏はうれしそうに頷くと、こう言った。
「汐理ちゃんの身体を見たいなぁ…」
 彼の要望を受け入れ、汐理は着ている物をすべて脱いだ。
 以前よりも膨らみを増した乳房は、まだ大人の女体になりきっていない初々しさを保っており、隆起の頂点に色づくピ
ンクの乳頭が愛らしかった。腰回りや太腿も華奢でほっそりしているが、ギスギスした感じはなく、少女らしい柔らかさを
見せている。股間を彩る陰毛も薄い方だ。
「汐理ちゃんの裸、すごいきれいだ…」
 木訥とした口調で誉められ、汐理は恥ずかしさとともに嬉しい気持ちになった。心からの言葉であることが伝わってき
たのだ。
「精液を飲ませてください…」
 そう言うと、汐理が肉棒を咥え込んでいった。笠を開いた先端が唇を押し広げ、怒張が口腔に押し込まれる。汐理は
歯を当てないよう、さらに大きく口をあけた。
 汐理は頬をすぼませ、内側の粘膜で怒張を擦るようにした。
「はっ、はっ…」
 A氏の息が荒くなり、怒張がビクンッビクンッと暴れだす。肉棒が、汐理の口の中にありったけの精液を放った。心臓
疾患を抱えた彼にとっては、命懸けの射精である。
「あ…、ありがとう、とても…、気持ち…良かった…」
 苦しげな息をつきながらA氏がお礼を言い、目に涙を溜めた汐理が何度も頷いた。
「Aさんは、一週間後、帰らぬ人となりました…」
 汐理のナレーションが静かに響く。
 画面が切り替わり、徳原と伊東が深刻そうな表情を浮かべ、朱美や栃尾アナが涙ぐむ様子がアップになった。



 ドラマあり、中継ありで番組は折り返し点を過ぎ、そろそろ次のヤマが欲しい展開になってきた。
「さて、コンサート会場の風見清香ちゃんを呼んでみましょう。清香ちゃーん!」
「ハーイ、朱美ちゃん、元気ィ?」
 手を振り合う二人をカメラが映し出し、栃尾アナがアナウンスする。
「今夜の清香ちゃんのコンサートの収益は、アフリカでエイズに苦しむ患者さんと遺族に送られます。なお、カメラマン尾
形大地さんのご協力により、朱美ちゃんたちの共著『よいこの性教育』の英訳本が、コンドームと共に現地の学校や図
書館に2万冊寄贈されます!」
 それを聞いて、清香が愕然とした表情を浮かべる。「あの恥ずかしい本」が、遠い地球の裏側でばらまかれるというの
だ。清香も朱美も初耳だった。
「きゃーっ、やめてやめて!」
「恥ずかしいぃー」



「でも、二人とも、何だか、喜んでるみたいに見えるよ…」
 叫ぶ二人を見ながら、伊東がポツリと呟いた。恥ずかしがっているのは間違いないが、本気で嫌がっているようには
見えない。赤い顔もむしろ、上気しているように見える。
 二人が同時にブンブンと横に首を振る。しかし、スタッフたちも、疑わしげな視線でそんな彼女たちを見ていた。
「違いますっ!」
 コンサート会場の清香と、メイン会場の朱美が声を合わせて叫んだ時、バンドの演奏が始まった。
 清香が3曲をメドレーで歌い、続けて大ヒット曲「Kiss me more!」を歌い終わる。すると、拍手とともに番組の緑
色のTシャツを来た男性アナウンサーがステージに登場した。
「ここで、観客のみなさんに、清香ちゃんへの『お捻り』を募金していただこうと思います」
 そう言うと、アナウンサーは長さ3センチ、直径1センチ程のプラスティックのカプセルを取り出した。
「次の曲を歌っている間、清香ちゃんが客席を回りますので、観客のみなさんは、このカプセルにお札を入れて、清香
ちゃんのアソコに入れてあげてください」
「ちょっとやってみますね…、こう、1万円を入れて…」
 清香がパンティを脱ぐと、アナウンサーは役得とばかり、カプセルを摘まんだ指を暖かい媚肉の中に挿入した。
「あっ…あうっ」
 清香の口から喘ぎ声がこぼれ、白い双臀がうねり始めた。アナウンサーはここぞとばかり、根本まで挿入された指が
抜き差しする。グチュッグチュッと音を立て愛液が股を伝って流れ出す。
「ちょっと…、もう…やめてください…」
 抗議の色を含んだ清香の声に、ハッと我に返ったアナウンサーは、きまり悪そうな表情で曲紹介をする。
「それでは、お聞きいただきましょう。今年の48時間テレビのテーマ曲です。『愛の力を信じよう』…」
 この番組のために土本創児が作曲した曲が始まり、清香が花道を通って、客席にやって来た。
「募金をお願いします」
 そう言うと、清香は自らスカートの裾を掴み,割れ目が露出するところまで捲り上げた。客席に座って視線を上げる
と、花道に立った足の間から、繊毛に彩られた秘密の花園が丸見えになっている。
 一番前にいた観客の一人が、戸惑いながらも、カプセル持った手を伸ばす。
「ああ…、あんっ…」
 陰部に触れると、清香が声を漏らした。あきらかに拒否の反応ではないことに意を強くした客は、カプセルの先端で
縦裂になぞるようにし、そっと人差し指を這わせた。
「うっ…」
 茉莉の頭が、ビクンと後ろに仰け反る。それを見ていた観客の目の色が変わった。カプセルを持った観客たちの手
が、次々に清香の股間に伸びてきた。
「愛の力を信じ…、ううっ…」
 歌いながら、カプセルを挿入される感覚に清香が呻き声をあげる。観客たちは、それでも構わず膣の中にカプセルを
挿れていった。どさくさ紛れに性器を弄ったり、お尻を撫でたりする客も少なくない。
「あっ、あぁ…ダメぇ…」
 清香が甘い声を漏らして腰を揺すった。観客がカプセルを挿入する度に、クチュッ、クチュッと卑猥な音が響く。太股
がお漏らしをしたように濡れている。
「あっ、あっ、ああっ…」
 清香が背中を反らせて喘ぐ。数え切れないほどのカプセルが埋め込まれた時、やっと曲が終わった。
「たくさん、ハアハア…、募金していただいて…、あっ…、ありがとうございました…」
 喘ぎながら清香がお礼を述べて、コマーシャルに切り替わった。



 番組も47時間を経過し、いよいよフィナーレである。
「現在の募金額は、10億9900万8646円。うーん、朱美ちゃん、おしいですね。100万円ほど足りませんが、どうしま
しょう?」
 例年、メインパーソナリティが私物をオークションにかけたりして、不足額が埋まるよう演出されている。そして、今年
の演出は、スター・ハント出身の「エロドル」にふさわしい内容であった。
「うーん、じゃあ、私が今来ている服を、下着も含めて全部オークションにかけます」
 既に決められていた企画内容だったが、朱美が今思いついたように言うと、会場から拍手と歓声があがった。
「おおっ、48時間着て、朱美ちゃんの汗と匂いが染み込んだ服と下着ですか。それは、男性ファンなら絶対に欲しいで
しょうね」
「そうですね、絶好のオカズ…、いや、宝物になりますよね」
 盛り上がる徳原と伊東を横目に、朱美は少しブルーな気分だった。Tシャツもスカートもリハーサルの時から着替えて
おらず、下着などほぼ3日間着ていたことになる。夏の盛りに募金会場に行ったり、イベントに参加したり、マラソンをす
るタレントの並走までして、汗をびっしょりかいたうえ、お風呂もシャワーも、トイレのウォシュレットすら禁止されていた。
服は彼女の体臭がし、下着などは、恥ずかしいシミだらけのはずだ。
「もちろん、ここで一枚ずつ脱いで、渡してもらえるんですね」
「えっ…」
 そこまでは聞いておらず、絶句した朱美がマネージャーの焼津を見る。案の定、焼津は大きく頷いてみせた。
「…わかりました」
 恥ずかしそうに頷く朱美に、会場から割れんばかりの拍手と歓声があがる。
 靴、靴下に続いて、Tシャツを持ち上げるように首を抜くと、朱美はさっと脱ぎ去った。さらさらの長い髪が、白い肌の
上にかかる。
「おぉーっ!」
 ブラジャーに包まれた豊かな胸の膨らみが見え、会場から大きな歓声が上がった。
 さらにスカート、ブラジャーと続き、いよいよ本命のパンティ。一番高値が予想される目玉商品だ。
 朱美は脱いだパンティを両手で持って、観客に見せた。白く可愛らしいパンティをカメラがアップにする。
「朱美の恥ずかしいシミ、いっぱい見て下さい」
 朱美はパンティの裏側を広げて、そう言った。決められた台詞ではあるが、口にすると、ゾクゾクするような感覚があ
った。
(私…、ちょっとヘンになってきたかも…)
 最近、恥ずかしい思いをするのが、前ほど嫌ではなくなってきたようだ。 
「いい匂いだ。おやぁ、濡れてるのかな…」
 パンティを受け取った伊東がそう言って、股間の部分に指を当てる。ゆっくり離すと、指に愛液が糸を引いた。
「ほら、濡れてるよ。朱美ちゃん、みんなに裸を見られて、感じてたんじゃない?」
「そ、そんなことないです…」
 伊東に図星を指されて、朱美は顔を真っ赤にして横に振る。
 パンティは50万円の高値をつけた。落札した男はパンティを手に取り、股の二重になった部分を鼻に当て、匂いを嗅
いだ。
「ああ…、天国の匂いです!」
 うれしそうにコメントして、男は満足した表情で客席に戻った。
 着ているものを全てオークションにかけた朱美は、胸と下腹部を手で隠し、恥ずかしそうにステージに立っている。
「これでもう、売るものがなくなっちゃいましたが、あと10万円ほど足りません、どうしましょう?」
 徳原が朱美を見る。
「ねえ、朱美ちゃん、こうしたら…」
 自らもパーソナリティでありながら、ニヤニヤ笑いながら見ていた伊東が、朱美に耳打ちする。
「えーっ!」
 朱美が真っ赤になり、左右に首を振っている。
「でも、チャリティなんだよ。恵まれない人たちを救わなきゃ」
「お願いしますよ」
「さあ!」
 ステージ上の面々が朱美に詰め寄った。
「わかりました…、私の…私のアソコをチャリティに出します」
 かなり思い切った提案に、会場が水を打ったように静まり返った。
「ホントは中に入れさせてあげたいんですけど、セックスしちゃうと、やっぱり…ちょっとマズイので、アソコを舐めていた
だきます」
 耳まで赤くなって説明する朱美に、会場が再び沸騰する。
「じゃあ、オークションに出品されたオ××コ、どんな感じなのか、見せてもらおうかな…」
 すっかり興奮した伊東は、放送禁止用語を口にしていることにも気がつかない。
 ステージ中央で朱美の脚がM字に広げられ、秘所が丸見えになる。伊東たちが股間を覗き込み、朱美は羞恥に身を
震わせた。
「ああ、い、いやぁ…」
 花びらの合わせ目に分泌物がたまってヌラヌラになっている。三日間洗っていないその部分は、ツンとした残尿臭が
混じったヨーグルトのような臭いがする。臭いフェチを魅了するとともに、嗅がれる女の子本人にとっては恥ずかしくて
たまらない臭いだ。
「朱美ちゃんの匂いがたっぷりする性器。ここを即クンニする権利、いくらで買っていただけるでしょうか?」
 徳原の問いかけとともに、会場の男たちが手にしたスイッチを押す。大型ディスプレイに表示された入札金額がグン
グン上がっていく。
「100万円ですっ!100万円の高値がつきました。それでは、落札した385番の方、ステージ上に上がってください」
 落札した男がステージに上がってきた。30歳代の中肉中背の男は、さすがにサラリーマンというよりは資格で仕事を
しているか、自分で事業をしているようだった。
 朱美と握手した後、支払いの手続きをした男の前で、朱美が脚を開いた。男が生唾を飲み込む。憧れの身体が、裸
になって目の前にあるのだ。
 男は股間に顔を近づけクンクンと鼻を鳴らす。
(いや、そんなとこ、臭わないで…)
 そう叫びたくなるのを堪えて、朱美が甘い声で言った。
「朱美のオ××コ、舐めてください」
 男が花びらをひろげた女陰に口づけ、舌を出して舐めあげた。股間を這いまわる舌が朱美の官能を刺激する。奥底
からわき上がってくる快感に抗しきれず、つい恥ずかしい喘ぎ声を発してしまう。
「あ、あぁっ…」
 身悶える朱美の腰をしっかり押さえながら、男は根元まで舌を伸ばし、貪るように舐めあげた。愛液を掬い取るよう
に、男の舌が亀裂の中を這って行く。
 暖かい舌が小陰唇の裏側をなぞり、中に溜まった恥垢を味わっている。
「ああっ…、ううっ、はうっ…。だ、だめ、だめえ…」
 男は、クリトリスの皮を剥くように舌で転がした。肉芽を吸い上げられ、舌先で突つかれて、朱美は激しく顔を振りなが
ら仰け反った。
「…あ、ああ…、あああ…」
 男は、長く伸ばした舌を秘孔の中に差し込み、中でぐるぐると廻すように動かしてくる。舌が膣壁を舐めまわす。
「だめ…、こ、これ以上されたら…、…変になっちゃう…」
 そう言って逃れようとする朱美の体を徳原と伊東が押さえた。見ると、秘孔の周りは、男の唾液と朱美の愛液が交じり
合い、ヌラヌラと光っている。
「ダメだよ、途中でやめちゃあ。せっかく100万円も出していただいたんだから…」
「イクまで舐めていただかないと、失礼でしょう」
 二人が口々に言い、再び大陰唇の膨らみに唇が押しつけられた。落札した男は指でクリトリスを責めながら、舌を秘
孔に出し入れする。
「あんっ、んんん…。はあ、ああん…、あああ…」
 朱美が喉を伸ばし、喘ぎ声を上げた。背中がピンッと伸び、ガクガクと身体を痙攣させた。朱美は、押し寄せる官能
の波に飲み込まれていく。
「いっ、いい…あっ、ああ…い、いいっ、イっちゃう、あああ…」
 朱美が絶頂を迎える中、番組もフィナーレを迎えた。ステージの大型ディスプレイには募金合計額「11億0090万36
46円」が燦然と輝いていた。



アイデア by ぱぶれ

 


 
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