集団食中毒
―第2幕―



 便器の上にまたがり汚物を吐き出し続ける2年生の少女たち。
 整然と列をつくる余裕もなく、トイレを囲むように順番を待っている1年生と3年生の少女たち。
 誰もが激しい腹痛に苦しみ、青白い顔に大量の脂汗を浮かべている。

 集団食中毒。
 恐ろしい響きの単語が彼女たちの脳裏に浮かんでいた。
 普通の学校で起きたとしても、トイレの取り合いで大パニックになることは間違いない。
 そして、ここは普通の学校ではなかった。
 聖女学園の女子トイレは丸見えの和式便器4つだけ。
 さらに、女子生徒は下着を身に着けることはできない。
 すなわち、誰一人下痢便を排泄する姿を隠すことはできず、おもらしをすれば床一面に汚物を撒き散らす様を晒すことになるのだ。
 
――ギュロロッ!ギュルピーーグギュルーッ!!
――グギュゥグギュルルッ! グギュルーッ!
「くぅっ……ぅぅぅ…………」
 順番を待つ少女たちは最悪の事態を避けるため、不気味な音を立て続けるおなかをなだめ、今にも開きそうになるお尻を押さえながら必死の我慢を続ける。
「みんな、大丈夫?
 お願い、早くトイレを空けてあげて……うぅっ……!!」
 耐え続ける少女たちを必死に励ます生徒会長の結衣香も、今にも漏らしそうな強烈な便意に苦しんでいる。
「うぅぅ……おなかいたい……もうだめぇ…………」
 特に具合が悪そうなのが1年生の紗由里で、立っていることすらできずしゃがみこんでお尻をスカート越しに押さえている。
「………はぁ、はぁ…………ぅぐっ……!!」
 普段は活力に溢れている3年生の乃梨香も、力なく震えながらおなかを抱えて前かがみになっている。
 ……誰もが、4つの便器を専有する2年生たちが排泄を終える瞬間を待ち望んでいた。
 
「んん……っ!! っくぅ……!! んぁっ!!」
――ブチュッブリュブジュブリリリッ!!
――ブチュッブジュブリュルルルルッ! ミュルブリブジュブボボッ!!
――ブチュルルルブリブチュブチュルルルルルルルルッ!! ブリュルルッ!
――ブボッ…………ブチュルルッ………………ブリッ………
 大量の軟便を吐き出し続けていた希のおしりからひときわ大きな音が響き、崩れるより早く積み上がっていた軟便の山の上にかろうじて形を保った便が叩きつけられる。
 凄まじい量の排泄がようやく終りを迎えたのだ。
(す、すごい量……それに、おしりも気持ち悪い……ちゃんと後始末しないと……)
 希は恥ずかしさを感じながらも開脚し、トイレットペーパーが出てくるのを待とうとした。

「やぁっ!!」
――ブジュビィィィッ!!
 うずくまっていた紗由里のおしりから水音が響く。綾に続き、紗由里も漏らしてしまったのだ。
(うぅっ…………だめ、あと30秒も待たせられない……)
 手前向きの便器にしゃがんでいたためその光景を目の当たりにした希は、真由美に倣って後始末を諦め――大量の固形便と軟便の山を残し、便がこびりついたお尻の穴を拭かずに――便器から離れた。

「あぁっ、トイレ、でちゃうっ!!」
 便器が空くのを待ち焦がれていた紗由里がおしりを押さえながら便器のある段上に駆け上がる。
――ビュルーッ…………ビチィッ!!
 その間にもおしりの穴から少しずつ水便が溢れ出し、床と脚と靴下を汚していく。
 
「だめ、だめ、ああああっ!!」
――ブシャッビュルルルルルルルルルルビシャーーーーーーーッ!! ブパッビシャビィィィビィーーーーッ!!
 なんとか便器をまたいだ紗由里が崩れ落ちるようにしゃがみ込む、その途中で噴射が始まった。
 それまでと比べものにならない勢いで吐き出される黄色の水流が、便器の縁より明らかに後方に叩きつけられて飛び散る。

「はぁっ、はぁっ、いたい、おなかいたいよぉ……んーっ!!」
――ビュッビィィィィィィビシャビィーーーーーーーッ!!
――ビュルーーッビチィィジャーーッ! ブシャビシャーッブシャァビシャアッ! ビチィーーーーーーーーーッビュルルルルルルルルッ!!
――ブピッビシャーーーーーーーーーージャアアアアアアアアアアアアッ!! ブパッビシャーッビィィィィィィビュルーーーーッブシャーーッ!!
 紗由里のおしりから水状の便が便器に注がれる。お尻の穴の広がりが小さい分、全く形のない黄色い汚水は出口を絞られ、凄まじい勢いで便器に叩きつけられた。
 そこに鎮座していた希の焦げ茶色の便を一瞬にして押しのけ、固形物のダムの中に黄色い濁流の渦を形成していく。
 
――ゴロギュルグルルルルピィィィギュロロッ!! ピィィギュルグルッ!
「ぅぅぅ…………おなか……いたい……ぴーぴー…………やだ……」
――ビシャアアアッ! ビシャビシャービチャビシャーーッ!! ブジャッビューージャーーーービィーーッ!!
――ビュッビュルルルルルルルルブシャーーーーーーーーーッ!! ビュルッブシャーーーッビィーーーッブビューーッ!!
――ブピッビシャーーーーーーーッブシャーーーーーーーーーーーーッビュジャーーーーーーーーーーーッ!! ブピッビィーッビチィーッブシャーーッビシャァァビュルルルッ!!
 隣の便器にしゃがむ由紀と同じように、大量の水状便を吐き出す紗由里。紗由里も朝からお腹が下ってしまっており、朝食後にも同じように由紀と並んで洋式便器を下痢便で埋め尽くしていたのだった。
 希の固形便でつくられたダムはあっという間に決壊し、便器の中を黄色で埋め尽くしていく。
 あどけない顔立ちに苦しみを浮かべ、紗由里は猛烈な勢いで排泄を続けていく。

「う、うぅ…………」
――ビュルルルルルブジュルルビィィッ!! ビュブブブビィィィブババビチャァッ!!
――ビュルルルルビチブピブバァァッ!! ブジューーーッ!
――ビュルルビチッ……ブビィィッ…………ブジュルーッ…………ブバァァッ……ビィーッ………………
 瑞穂のおしりから断続的にほとばしっていた液状便が少しずつその量を減らし、ガスと飛沫だけになった。
 
(ど、どうしましょう……こんな……そのままなんて……恥ずかしい………………でも……)
 おもわずうつむいた視線に、大量の液状便で汚れた便器が映る。
 しかし、希と同じように手前向きの便器で用を足していた瑞穂の脳裏には、激しい痛みをこらえながら一刻を争う便意を我慢し続ける少女たちの姿が焼き付いていた。
「わ、わたくしはもう大丈夫です……!!」
 瑞穂は燃え上がる羞恥心を押さえつけて、汚物をそのままにトイレを明け渡した。

「あ、あたしに使わせて!! もう限界っ!!」
 ソフィが叫びながら空いた便器に駆け上がる。
 あゆみ、美奈、恵子もすぐにでも便器にしゃがみたかったが、一瞬出遅れてしまった。
「くぅっ、もうちょっと、がま、ん、ああっ……!!」
――ニュルルルルルッブポッ!!
――ニュルブジュブリュルッ!! ブチュルルルッ! ブチュブリブリリブリュルルルルルッ!
 便器をまたいだ時点でお尻の穴からは指先ほどの太さの固形便が3センチほど漏れ出していた。
 しゃがみ込みながら押し出された固形物はぎりぎり便器の中、一番後ろの部分に落下した。
 その手前、瑞穂の出した黄色い液状便の海の中に、次々と軟便が産み落とされていく。
 
――ゴログギュルーーーッ! グピィーッ!
「うぅ……おなか痛い…………なんなのよこれ……うぅんっ!!」
――ブビビチブリビチャァァァァッ!! ビチビチィィィィビチチチチッ!!
――ビチチチビュリビチィィビュリリリリッ!! ブビュルビュリリブビーッビチャーーッ!
――ビュブブブブブブブビュリーーーーーーッ!! ブビビチーーッビチチブビーーーーーーーーーッ!!
 お腹が唸りを上げ、一気に泥状になった下痢便がソフィの肛門を駆け抜ける。
 瑞穂の黄色い液状便を押しのけるように、便器の中央に茶色の島がつくられていく。
 その大きさが増すとともに、強烈な悪臭が立ち上ってきた。
 すでに何人もの下痢便を蓄えている4つの便器の周りは色付くような刺激臭で満たされているが、その中に新たに鼻が曲がるような強いにおいが加わる。
 
「ううぅ……ひどいにおい…………あっ、だめ、またっ……!!」
――ビチビチィィィィィビュリリリリリッ!! ビチーッ!
――ブビブビーーーーーーーッビュリーーーーーーーーーーッ!! ブビュルブリリッ!
――ブリィィブリーーーッ! ブビビビビチーーーーーーーーーーーーーーーーーーッブビブビブリリリッ!! ブビビビビビチィィィィィィィビチビチャーーーーーッ!! ビチビィーーッ!!
 猛烈な悪臭を感じ排泄の勢いを弱めようとしたソフィだが、駆け下ってきた便意にあっけなく屈してしまった。
 茶色の下痢便を噴射し、汚物の領域を広げ、さらなる悪臭であたりを包み込んでしまう。
 茶色と黄土色の汚物が便器から跳ね上げられ、白い靴下に汚いまだら模様をつくり上げていく。
「う……うぅっ……!!」
 普段は強気なソフィも、この極限状態においては羞恥心に悶え涙を浮かべていた。



「うぅぅ……………だめ……おなかが………」
――ブシャッビシャビュルーーーーッ!! ブパッビチャビシャアアアッ!! ブシャッブシャァァァァァァァァビチィーーーーーーーーーッ!!
――ビュルッビュルーーッビィーーーーーッ!! ブシャーッ!!
――ブパッビチャビシャーッ! ブシャビィビチャビチィーーーーーッ!!
 もともと下りきっていたおなかをさらにこわしてしまった由紀は、便器にまたがった瞬間からほとんど休むことなく水便を垂れ流し続けていた。
 腹痛も、便意も、全く治まらない。
 
――ゴロロログギュルッ! ギュルギュルルグピィーーッ!
「あ……あゆみちゃん、大丈夫?」
「……もうだめ…………あたし……もう……がまんできない……!!」
(ど、どうしよう、綾ちゃんはまだ終わらないし、紗由里ちゃんとソフィちゃんも……で、でも、私もまだ……)
 限界が近い少女たちを見て、心優しい由紀は早く助けてあげたいと強く思う。
 だが、壊滅的に下っているおなかの具合がそれを許さない。
 こうして迷う間にもおしりの穴からは水便が飛び出している。

(……う、うん……真由美ちゃんも希ちゃんもまだ出そうなのに代わってあげたみたいだから……わ、私も我慢しなきゃ……!!)
――ブジャッビュビシャーージャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
――ビュルルッ!!
――ビィッ…………ビュルッ………………
 ぎゅっと目を閉じ、開いていた肛門を全力で締める。
 水流が溢れ出していた出口が無理やり縮められ、幾度か飛沫を漏らしながらもついに閉ざしきられた。
 
――グギュルーーッ! ゴロッグルッ!! ギュルルゴロピィゴロッ!
――ギュリッ! グピィギュルルギュルルグルルッ! グピィィグルピィィグウーッ!
「っ、う、うぅっ…………」
 肛門で押し留めた水状便が腸内を逆流するおぞましい感覚。
 由紀はその苦しみに耐え、下級生に救いの手を差し伸べた。
「あゆみちゃん、もう使っていいよ……!!」

「あ……ありがとうございま…………トイレ……トイレぇっ!!」
 すでに限界に達していたあゆみは礼を言い切ることもできず、由紀がしゃがんでいた便器に駆け込んだ。
 由紀もまた、トイレの機構――10秒間脚を開いてトイレットペーパーが降りてくるまで待ち、さらに20秒待つと水が流れる――を無視し、茶色の汚水で満たされた便器をそのままに、拭いていない肛門から水便の雫を垂らしながらトイレを後にしていた。

「だめっ…………でちゃっ……ああっ……!!」
――ブビチブピピビチビチーーーーッ!! ブジュビチチチチチチチチチチチブバババババババババブビィィィィッ!!
――ブピピピピピピッブビーーッブジュルーーーーーーーーーーーーーーッ!! ブピピピピピピピッビチビィーーーーッ!! ビチチブピーッブバーッ!!
 完全にしゃがみ切る前に、あゆみの我慢は限界を迎えた。
 液状の便が飛び散り、あと僅かのところでガラス製の便器内に収まらず、便器の縁を僅かな粘り気のある黄土色の液体でコーティングした。

「うぅぅ……おなかいたい…………だめっ……!!」
――ビュルッビュビチィーーーーーーッジャーーーーーッ!! ビシャブシャーーーーッビュルルルッ!
――ブシャッビチィィィビュルルルルルルルルビチィーーーーーーーーッ!! ビュッビュルーーッビューーービチィーーッ!!
――ビシャビュルビシャァァァァァァァァビィーーーーーーーーッブビューーーーーーーーーーッ!! ビシャビィーーーッ! ブピッブシャァァァァァァァァァァァジャーーーーーーッ!!
 両足を少し前に出すと同時に、第2波の排泄が始まった。
 今度はさらにゆるい、完全な水状便。
 色は黄土色に近く、由紀が吐き出した茶色の汚水の海をまだら模様に染めていく。
――グギュゥゥゥゥグルルルルルルルルルゴログウーーーッ!!
「……おなかいたい……苦しいよぉ…………んんっっ!!」
――ビュルッビィィィジャーーービシャーッ! ビシャビシャブビューーーーッ!!
――ブジャッジャーーーーーーーブビューーーーーーッ!! ビュルッビィビシャブビューーーーーッ!! ビュルルッ!
――ビュルッビチィィィィィィィィィィィィィィィィィビチィーーーーーーーーーッ!! ビュルッジャァァァァァァァァァビュルーッ!!
 あゆみの小さな体の中にあったことが信じられないほどの、大量の水便が便器を埋め尽くしていく。
 排泄の勢いは、収まるどころかさらに増していこうとしていた。


「う…………うぅ…………ぅえええんっ!!」
――ブシャッビューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーービシャアアアッ!! ビシャジャーービシャーーッブビューーーーーッ!!
――ブシャビュルジャアッ! ビュビュビチィーーッブシャーーーッ!! ビュルルッ!
――ビュルッビチャビシャアアッ!! ビュルッビチィーーッジャーッ!!
――ジャアアッ………………ビュルルッ…………ジャーッ…………ビュルッ………………
 お尻を押さえながらおもらしして手を汚してしまった綾は、泣きながら排泄を続けていた。
 当初はかろうじて形を保っていた便が、未消化物混じりの液状便となっていた。
 その排泄の勢いが少しずつ弱まり、ついに途切れ途切れとなった。
「うぅぅ…………」
 精根尽き果てた様相の綾は、脚を開くことすらできず便器を後にした。

「あ、あの……美奈さん、私、あの、先に使ってもいいですか……その……もう限界で……?」
 真っ青な顔で我慢していた恵子が口を開き、一歩前に出た。
 普段1年生の中ではお姉さん役となっている彼女は、可能な限り他の子に先に使わせてあげようとしたが、お尻の穴が膨れ上がる感覚を覚えてついに限界を悟ったのだった。
「え……う、うん……だ、だいじょうぶだよ……」
「あ、ありがとう……くぅっ……!!」
 美奈の答えを受けて、恵子は真由美と綾が使っていた端のトイレに登りしゃがみ込む。
「も、もう…………だめっ……!!」
――ブチュッブリュブチュブリュルルルルルルッ!! ブチュブリュブリリリッ!
――ブビュルブリビィーーッ!! ビチチチブビビビビビビビチーーーッ!!
――ブババババババババビチャーーッ!! ビチビチビチーーーーーーーーーーッ!!
 綾が真由美の便を押しのけてつくった黄土色の湖の中に、今度は茶色の軟便が降り注ぐ。
 空気を含んだ固形物と液状物が肛門を激しく振動させ、ひときわ大きい破裂音を周囲に響かせる。
 
「い、いやっ……こんなの…………うぅぅ……!!」
――ブビビビビビュリリブビビュリリリリッ! ブババババビュリリリビチチチッ! ビチャァッ!
――ブビビビビビビビビビビビブビビチーーーーーーーーーーッビィーーーッ!! ブビビチャーーーーッ!
――ビュブブブビーーーーーッビュリーーーーーーーッ!! ブビビビビビビビブリブビーーッビチチチチチチチチチッ!! ビチブビーーーーッブビーーーーーーッ!!
 恵子が爆音とともに排泄を続ける。茶色の汚物は徐々に形を失っていき、液状へと近づいていく。
 綾の液状便と混ざりあった汚水はあっという間に固形物の堰を越え、便器の底を埋め尽くしていった。


(ま、まだ……がまん……できる…………けど…………)
 1年生の中で最後に残った美奈は、必死にお尻を押さえて便意をこらえていた。
 美奈はそれほど我慢強いわけではなかったが、激しい便意を押し止めることに成功していた。
 ここ数日間排便がなく、固形便が栓になって下痢便の排泄を押し留めていたのだった。

「うぅぅ…………もうちょっと…………っ……えっ!?」
――ビュルッビィィィィッ!
 破裂音。
 そして、スカート越しにお尻の穴を押さえていた指先に感じた水気。
「え、うそっ……でちゃった…………!?」
――ビュルルッ! ブピッ! ビィィィィィ!
――ビュブッ! ビィィッ!! ブジューーーーッ!!
 肛門の内側の異物感は変わらない。
 しかし、明らかに液状の便が漏れ出していた。
 あまりにも緩くなった液状便が、固形便の脇から漏れ出してしまったのだ。
 便秘をして下剤を処方されたことが何度かある美奈にとっては、それは初めての経験ではなく、何が起こったを理解することができてしまった。

「あ、あのっ、ごめんなさいっ、もうだめ、かわってっ!!」
 お尻を押さえながら慌てて便器に駆け寄る。
 ちょうどその時、ソフィの排泄が一段落しようとしており、美奈はその便器が空くのを待った。

「うぅぅ……しょ、しょうがないわね……」
 ソフィが生み出した固形混じりの下痢状の汚物は、時間が経過した後も強烈な臭気を放っていた。
 これをそのままにすることはソフィのプライドを大きく傷つけることになるが、しかしそれ以上の便意と羞恥に苦しむ美奈を見捨てる訳にはいかない。
 ソフィもまたふたり分の汚物が残された便器をそのまま明け渡した。
 
「も、もう、だめ、だめぇ……」
――ビシャッ! ビュルーッ! ビシャアッ!! ビピィーッ!!
――ビシャブシャーーッ!! ビュルルルルルッ!
 美奈がお尻から液状便を漏らしながら便器をまたぐ。
 床に溢れてはいないものの、液状便はおしりから脚を伝い、靴下の上部に染みをつくり始めていた。

「あ、あ、あああっ!!」
――ムリュ…………ムリュムリュニュルルルニュルルルルルルビチャアッッ!!
 水分を失った固形便が液状便をまとって抵抗なく肛門を走り抜け、便器の中にどさりと横たわる。
 美奈の小さな体には似つかわしくない排泄物が、その股の下で湯気を立てていた。

「うぅぅっ…………だめ…………とまら……ない…………っ……」
――ブジュブリュルルッ! ブリブチュルルルッ!!
――ブビュブチュブリュブチュルルルルッ!! ブチュブビュブビュニュルルルルルルッ!!
――ブリィィィィィィブビビビビビビビビチチッ!! ビチブリブビビビブリーッ!!
 美奈の排泄はまだ終わらない。
 固形便に押し止められていた下痢便が、支えを失って一気に肛門から噴出する。

「んっ……くぅっ……うぅぅっ!!」
――ブビュルルルビチーーーーーーーッビチャァァッ! ブビビビチーーッブビィッ!!
――ブビブリビチャーッ!! ビチーーーッビュリーーーーーッ!!
――ブボボッブボブビブビビビビビッブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!
 苦しみから逃れようとお腹に力を入れ続けた美奈だったが、今度は爆音とともに飛沫を飛ばしながら盛大におならを放出してしまった。
 それは他の便器で鳴り響いている水音や破裂音よりも数段大きな音だった。

「うぅ…………もうやだぁ…………」
――ビュブブブブビビビブリリリビィーーーーッ!! ブビブババブリィィィビチャァッ!!
――ブボボッブブブブブボーーッ! 
――ビィィッ!! ブビブリビィッ!! ビチブリブリィブビィィッ!
――ブビブウウウッブオーッ!! ブボボッブオーッ!!
 羞恥に涙しながらも、美奈は排泄を止めることはできない。
 少しずつお腹に力を入れ、体を震わせながらガス混じりの排泄を続けるしかなかった。


「先輩、大丈夫ですか……?
 頑張ってください、もうすぐですから……」
「でも……みんなまだ苦しそうね…………うっ…………」
 一度排泄を終えた2年生も、教室に戻ることなくその場に残っていた。
 希のように我慢を続ける3年生を励ますことも一つの目的だったが、真由美と同じくトイレが空いたらもう一度使いたいと思う者がほとんどだった。
――ギュルルッ!!グピィィグピィーッ!!ギュルグルルッ! 
――ギュリッ!ゴロギュルルギュルーッ!! グピィーッ!
「ぅぅ…………っん…………」
「由紀ちゃん、だいじょうぶ?」
「由紀さん……」
 特に無理やり水便の排泄を止めた由紀の腹具合は深刻で、いつまた肛門が決壊するかわからない状態だった。
「だ、大丈夫……だって…………」
 由紀が視線を上げると、そこには苦しげに排泄を続ける下級生の姿があった。
 
「はぁっ、はぁっ、はぁっ………………うぅぅぅぅ!!」
――ブシャッブシャァァビュービチィィビシャアアアアアアッ!! ビシャーーーッビィーーーッビィィィッ!!
――ブパッビシャービシャーーーーブビューーーーーーッ!! ブピッビュルジャァァァァァブシャーーーッ!!
――ブシャッビシャビシャーーーーーーブビューーーーーーーーーーーーッ!! ブシャビシャーーーッビュルルルルルルブシャァァァァァァァァァァァァァジャーーーーーーーーーーブビューーーーーッ!!
 手前向きのトイレで水便を噴射し続ける紗由里。
 希が出した硬質の固形便は激流に流され便器の底へと押し流されていた。

「うぅ…………おなかいたい……とまらない……だめぇ……」
――ビシャビシャーッジャアアアアッ! ビュルーッビシャァジャアッ! ブシャァァァビュルビシャーーーッ!!
――ブパッビシャビィィィビシャアアアアアッ!! ビュルッビチィーーーッビュルルルルルルルッ!! ビィビチィーーッビュルルッ!
――ブシャッビュルーーーッジャアッ!! ビュッビュルーーーーーッビュビィィィィィィィィィビチャビュルーーーーッ!!
――ビュビューービシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ブジャッビュルーーッビシャーーージャーーッ!! ビュビシャーーッ!
 紗由里の隣の便器で、後ろを向いてしゃがみ込むあゆみ。
 その小ぶりなお尻から、信じられないほどの大量の水状便が流れ出していた。
 先客の由紀のものも含めて、固形物は一切存在しなかった。
 完全にお腹を下したふたりの少女がつくった、茶色と黄土色のマーブル状の汚物の海。
 その水かさは、さらに増し続けていた。

「うぅ……はやく…………おわってっ……!!」
――ビチビチビュリリブビビブバババビュリリッ!!
――ビチィィブリィィビィィッ!! ビチーッビュリーッ!
――ブボボボッブビーーーーーーーーーブゥーーーーーーッ!!
 下痢便と水っぽいガスを交互に噴出し続ける美奈。
 ガスが出るたびに肛門から飛沫が飛び散り便器の縁や側面を汚し、靴下にも濃い茶色の汚れを撒き散らしていく。
 瑞穂やソフィが残した僅かな固形物は、3人が後から降り注がせた下痢便に覆い隠され見えなくなりつつあった。


「うぅぅっ…………だめ…………こんな……んっ!!」
――ブリブリィィビチャーーーーッ!! ビチブリィビチブリーーーッ! ビチビチャーーッ!!
――ブビブビブビィィッ!! ビチブリブリリビィーーーッ!! ビュブビィーーッ! ビチャァッ!
――ブビブババブババババババババババブビブリーーーーーーーッ!! ビチブビビチーーーーーーッ!!
 ひときわ大きな音とともに排泄を続ける恵子。
 真由美が残した焦げ茶色の固形物と綾が生み出した黄土色の液状物を吹き飛ばすかのように、新たな茶色の液状便を便器に叩きつけていた。
 
 可憐な少女たちの体から生み出される汚物と臭気と破裂音。
 すでに茶色の地獄絵図が描かれたトイレでは、まだ5人の3年生が猛烈な便意を体内に抱えたまま、必死の我慢を続けていた。



関連ストーリー:聖女学園 短編エピソード サイドストーリー059 「週刊 聖女新聞 〜集団食中毒〜



文章:メルティさん
修正/挿絵:ロック


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