歪んだ社則



 皆さまこんにちは。
 私の名前は須藤美月(すどう みつき)です。
 本日は、我が斉藤商事の社則についてお話ししたいと思います。
 お手数ですが、こちらの名刺をどうぞ。
 ……先ほどの姿勢……ですか?
 ……そうですね、それらの件は順を追ってご説明いたします。

 まずは私、須藤美月の自己紹介からまいりたいと思います。
 去年入社した20歳で、総務会計部に所属しています。
 身長は160cm、体重50kg、カップ数はDカップでスリーサイズはB86、W59、H82です。
 私のより詳しい情報は、そちらにある端末からどうぞ。
 名刺にバーコードがあり、その部分を読み込ませることにより閲覧が可能となっています。
 詳しい説明は後ほどいたします。
 また受付に申し込むと、わが社の全女性社員の名刺を受け取ることができますので、ぜひご活用ください。

 さて、続きまして先ほど申し上げました我が斉藤商事の社則について、ご説明いたします。
 これまでは、運転免許証などの個人情報におきまして、主に顔を認識することによって区別してきました。
 しかし、情報技術が発達した現代、そのような個人情報は簡単に偽造されてしまいます。
 整形技術が発達し、美容整形で顔を変えられるようになったことも理由のひとつです。
 そこで我が社では、女性の顔ではなく「オマンコ」といった性器によって個人認証することを決めました。
 先ほどお渡しした名刺をご覧ください。
 通常、個人の顔写真が表示されるところに、両手で割り広げた「オマンコ」が表示されているのがわかるかと思います。
 また社員証も同じように、顔ではなく性器が表示されています。
 これにより個人情報の偽造を防いでいるのです。
 しかし、それでも社員証を偽造されてしまうなどといったことにより、部外者の侵入を許してしまうことがあるかもしれません。
 そのような不正侵入を防ぐため、また仮に不正な侵入を許してしまったとしても早期にその不正侵入を発見することができるように、月に一度、女性社員は健康診断を兼ねて、精密な身体情報を記録することになっています。
 さらに、女性社員のデスクの下、女子トイレの便器の内部など、主に女性が長く滞在する箇所にカメラを設置し、他の社員がそれを常時監視することにより、部外者の不正侵入防止を図っています。

 次は私たち社員の服装についてご説明いたします。
 男性社員は、他の会社の方々と同じように一般的なスーツを着用します。
 しかし女性社員は、少々他の会社とは異なった箇所がございます。
 まず上半身ですが、ブラウスとブレザーの胸に当たる部分がくり抜かれていて、胸が露出するような形になっています。
 下半身はタイトスカートを着用しておりますが、スカートがひざ上30cm以上と定められており、一般的なスカートよりも丈が短いのが特徴です。
 またスカート横にはスリットが左右ふたつずつ入っております。
 これは社員や警備員などが、女性社員を検査する際にスカートを捲りやすくするために設けられたものですが、我々女性社員としましてもタイトスカートでありながら大変動きやすいと好評となっております。



 社則と服装についてご説明が終わりましたので、お手数ですが皆さまご起立ください。
 これから正面玄関に移動します。

 …………着きました。
 こちらが正面玄関でございます。
 あちらに大掛かりな装置が見えますでしょうか?
 あれは女性社員専用のゲートで、女性社員はこの装置の中を通ってから会社に入らなければなりません。
 今、ちょうど女性社員が来ましたので、実際にその様子をご覧いただきながら説明いたします。

 原則として女性社員は下着の着用が不可となっております。
 また、陰毛は入社時に除毛されるため、全員がパイパンとなっております。
 会社に入る際には、まず下着を着用していないことを確認するため、ふたりの警備員による触診検査があります。
 女性社員はゲートのところで一旦服を脱ぎ、全裸になってから起立の姿勢になります。
 はじめに、胸を検査します。
 女性社員が異物を持ち込んでいないか、おっぱいを丹念に揉んだり乳首をこねくり回したり、摘んだりすることで検査します。
 その後、内部検査に移ります。
 警備員に対して後ろを向き、壁に手をついて腰を上げます。
 そうするとお尻が持ち上げられるようになりますので、その姿勢のまま検査をします。
 まずクスコを膣に挿入して開き、膣の中に異物がないか確認します。
 ……あちらの検査の様子をご覧いただきますと、警備員がクスコで開いた膣の中をライトで照らして、内部を確認しているのがわかるかと思います。
 その後、今度はアナルにもクスコを挿入して開きます。
 これも、体内に異物を隠し持っていないか確認するためですね。
 …………その、アナルの内部が見られるということは、ごくたまにではありますが……「アレ」が見えてしまうことがあります。
 ……ですから、多くの女性社員は、一度トイレに行ってから通勤するように心がけております。
 ……その……かなり恥ずかしいので……。

 内部検査が終わりましたら、続いて触診に移ります。
 クスコを抜いた後、そのまま膣に指を挿入したり、クリトリスを摘んだり、オマンコを広げたり、尻たぶを開いてアナルを見たりして、丹念に確認します。
 ……あの女性社員は、自分でオマンコを広げていますね。
 基本的に検査方法は厳密に決められていないので、警備員の方によってやり方がいろいろ違います。
 ある警備員が検査をするときは、小型のカメラでアナルを映されまして、自分のアナルを自ら見ながら触診される……ということもありました。

 触診検査が終わりましたら、最後にゲートに設置されました特別な装置による、個人情報の読み取りがあります。
 今、女性社員がカメラが4台置かれている装置がある所にいますね。
 カメラが、それぞれ顔、胸、オマンコ、アナルが映る位置に設置されてるのがおわかりになられますでしょうか?
 あのカメラによって、女性社員の認証が行われるのです。
 まず、あのカメラを跨ぐように立った後、床の赤い位置に沿って足を置き、腰を下ろします。
 そうするとがに股の姿勢になるのがわかるかと思います。
 この姿勢が、認証を受けるときに取らなければならいない、基本姿勢となります。
 この後、個人認証が始まります。
 認証はオマンコ、アナルの順に行われます。

 まず、がに股のままカメラの位置に近づき、両手でオマンコを広げ、腰を前に突き出します。
 この姿勢が社員証に表示されてる写真と一致する姿勢ですので、これ以外の姿勢では認識してくれません。
 この姿勢のまま20秒くらい体勢を維持し続けます。
 …………さて、あちらの受付の上部をご覧ください。
 4つの大型のモニタがあります。
 あのモニタは、顔、胸、オマンコ、アナルが映る位置に配置されてるカメラと連動していまして、今、認証中の女性社員の胸とオマンコの映像がリアルタイムで見えております。
 機械だけでなく、ほかの社員にも実際に性器を見てもらうことにより、検査の正確性を高めることができるということで、昨年設置されました。
 また顔の映像を見てお察しの方もいるかと思われますが、この認証中、顔はカメラのレンズを見続けなければいけません。

 今度はがに股のまま後ろのカメラに近づき、両手で尻たぶを開いてアナルを確認します。
 先ほどと同じように、リアルタイムで映っているアナルの映像が見えましたね。
 実はここからでは見えないのですが、認証中の女性社員の顔を映しているカメラの後ろにもモニタがあり、あの4つの映像が映っています。
 認証中の女性社員は、このモニタを見て、認証部位の位置を調整するのです。
 否が応でもモニタを見続けなければいけないので、顔が真っ赤になっているのが見えますね。
 …………セキュリティ上、仕方ないことというのはわかってはいるのですが、やはり恥ずかしいものは恥ずかしいので……。

 これにて検査は終了です。
 女性社員は全員、このゲートを通ることになっています。
 …………もちろん、私も2時間ほど前に通りましたよ?
 また、これはタイムカードや荷物検査も兼ねていますので、退社時にもこの検査と認証を受ける決まりとなっています。

 ちなみに男性社員は、ここの端末に社員証を読み取らせるだけですので、すぐに出入りすることができます。

 え!? 私が検査されるのが見たい!?
 …………わ……わかりました。
 少々お時間がかかりますので、こちらでお待ちください……。

 …………終わりました。
 どうやら、皆さまが見学されているということで、いつも以上に念入りに検査をされてしまいました……。
 では次へ向かいましょう。



 さてこちらは、実際に私どもが業務にあたっている、総務会計部のオフィスでございます。
 業務にあたっている社員が見えるかと思います。
 一見すると一般的な会社のオフィス風景と同じように見えるかもしれませんが、他の会社とは少々異なる点がございます。
 こちらにある私のデスクをご覧ください。
 デスクの下にカメラがあるのが、おわかりになられたかと思います。
 また足元には赤い印があるのもわかりますでしょうか?
 業務中の女性社員は、この印に足を置いて座るのが基本となっています。
 そうすると、ちょうどデスク下のカメラにスカートの中が映るようになるのです。

 では実際にどのようになるか、見てみましょう。
 私を例にご説明いたします。
 まず椅子に座り、足を印に沿って置いてパソコンとカメラを起動します。
 ……するとカメラに搭載されたライトが点灯したのが、おわかりになるかと思います。
 このライトの光が、ちょうど椅子に座る自分の性器に当たるように、身体の位置を調節いたします。
 それから、業務にあたります。
 ライトがなければデスクの下は暗いので、そのままでは性器がカメラに映りません。
 ですから、このように光を当てて性器を照らし、くっきりとカメラに映るようにしているのです。
 また、ときおり業務中に姿勢が乱れ、カメラから性器が見えなくなってしまうことがございます。
 そのように性器が映らなくなることを防ぐために、あるシステムが組み込まれています。
 こちらのモニタを見てください。
 画面の右下に、私の性器が映っているのがおわかりになりますでしょうか?
 この常駐アプリが先ほど申しましたシステムでして、下のカメラの映像が、リアルタイムにここに表示されているのです。
 このカメラ映像は、自分のパソコン以外にも、社員管理データベースやオフィス全体のパソコンにも配信されております。
 今、この画面には私の性器が映っておりますが、設定により他の女性社員のカメラの映像を閲覧することもできます。
 女性社員は、ときおりこのアプリの映像を見て、自分の姿勢が乱れていないか確認しながら仕事をいたします。
 もちろん、他の社員も閲覧できますので、男性社員もときおりアプリから女性社員のカメラを監視して、姿勢が乱れていないかを確認しています。
 やはり自分だけでは見落としたりすることもありますので、こうやってほかの人も監視できる相互チェックシステムがあることで、我々女性社員も大変助かっています。

 それともうひとつ、我が社が行っている独自の活動をご紹介いたします。
 ストレス社会と言われるこの現代、いかにしてこのストレスを軽減できるかということを我が社は考え、ある規則を組み込みました。
 その規則は、女性社員は全員、「一日の就業時間中に、最低3回の絶頂を迎えなければならない」というものです。
 我が社では、性的興奮はストレス解消に、非常に効果があると考えてきました。
 そこでプライベートのみではなく、業務中にもそれを組み込むことによってストレスを軽減できるのではないかと考え、この規則が定められました。
 この絶頂の手段は特に決まられてはいませんので、自分でオナニーしたりすることで絶頂を迎えたりするのですが、ひとつだけ守らなければならないことがあります。
 それは、「必ず絶頂の瞬間を男性社員に見てもらわないといけない」というものです。
 つまりすべての女性社員は、最低3回男性社員に自分がオナニーして逝くところを見て欲しいと頼むか、男性社員に逝かせてほしいと頼まなければならない……ということになります。
 男性社員からもこの規則は好評でして、私たちといたしましても自分の体を触ってもらったり、自分のオナニーを見てもらうことがストレス解消の助けとなるなら、とても嬉しいことだと思います。

 また我が社では熱中症予防にも心がけております。
 女性社員は一日に2リットルの水分を取ることを心がけております。
 我が社ではしっかりと水分補給をしているかどうかの判断に、トイレ回数のカウントを採用しております。
 トイレに行きたい女性社員は、トイレに行くと周りに伝えてから、あちらにある「トイレ回数記載ボード」に書き込みます。

 次にトイレの場所なのですが、このフロアの中にあります。
 あそこにあるのがわかりますか?
 あれが女性社員専用トイレです。
 トイレの壁は透明なガラスでできており、また便器は和式便器を採用しております。
 また便器の内部にはカメラが設置されており、女性社員のトイレ申告が嘘偽りのないものであることを証明するために役立っています。
 このカメラも先ほどのアプリと連動しておりますので、トイレで女性社員が用を足すときの映像を他の社員が監視することにより、トイレ申請が正しいことの証明につなげることができます。

 …………ちょうど私ももよおしてきましたので、せっかくですから私を例に、このトイレの使い方を説明したいと思います。
 まずトイレに行くことを周りに伝える方法なのですが、これは規則で自分の所属部署と名前を大きな声で言い、トイレに行くことをアピールします。
「総務会計部の須藤美月、トイレに行きます!!」
 …………このような感じです。
 その後、この「トイレ回数記載ボード」に必要事項を書き込みます。
 このボードにはフロア内の女性社員の名前が書かれていて、この下に縦長の空欄があります。
 ここにトイレに行くと申請した時間を書き込みます。
 ……今は午後3時14分ですので「15:14」……このような感じです。
 そして、この空欄の下にきょうのトイレ回数という欄がありますので、こちらに、きょうトイレに行った回数を「正」の字で書き込みます。
 ちなみに私は本日3回目になりますので……このような感じです。
 この回数が一日に4回以上だと「概ねよい」、逆に2回未満では「少ない」とされ、長くこの状態が続くとその女性社員に指導が入ります。
 さて、次はトイレの説明をしたいと思います。

 先ほど説明しましたとおり、トイレの壁は全面ガラス張りです。
 またトイレには3箇所にカメラが設置されており、それぞれ前方の壁、便器内前方、便器内後方に設置されています。
 これにより排尿時の顔や性器を余すことなく映すことができ、申告が嘘偽りのないものであると証明することができるのです。
 ……そろそろ私もトイレに行きたいと思います。
 映像はこちらのパソコンでも閲覧できますので、どうぞご審査ください。

 …………終わりました。
 恥ずかしながら、少々多く溜まっていたようで……。
 いかがでしたでしょうか?



 では最後に社員証の説明に入ります。
 はじめに申し上げましたとおり、我が社の女性社員証は、本来個人の顔が表示されるところに性器が表示されたものとなっております。
 また、よりよく社員の証明とするために、性器のより詳細な情報を数値として所持しています。
 それを先ほど申し上げた端末を使うことによって、閲覧することができるようになっています。

 こちらの端末をご覧ください。
 これに女性社員の社員証や名刺を挿入して、読み込ませることによって、社員証や名刺には記載されていない、より詳細な情報を閲覧することができます。
 今回は、私の社員証を使うことにいたします。
 少々お待ちください。
 ……認識されました。
 こちらの画面をご覧ください。
 ここに表示されてる情報が、私の身体に関する全ての情報となっております。
 まず基本情報として私の名前、身長体重、スリーサイズとカップ数、私の顔写真や全裸の写真が表示されています。
 そして上半身、下半身の項目があります。
 これを選択すると、より詳細な身体情報を閲覧することができます。
 では上半身を表示してみましょう。
 こちらは主にバストに関する情報となっております。
 上からトップバスト、アンダーバスト、カップ数、左右の乳輪直径、乳首の直径や高さのほかに、乳輪と乳首の色素沈着度を10段階で評価した結果が示されています。
 次に下半身ですが、こちらは主にオマンコとアナル関する情報となっております。
 上からウエスト、ヒップ、割れ目の長さ、陰裂開閉時の幅、膣の直径と奥行き、クリトリスの直径や高さ、アナルの直径と皺の数のほかに、こちらもオマンコとアナルの色素沈着度を10段階で評価した結果が表示されています。
 恐らく陰裂開閉時の幅と色素沈着度がわかりにくいと思われるのでご説明いたします。
 陰裂開閉時の幅は小陰唇の幅を基準としており、そのままの状態での幅と指を入れて小陰唇を限界まで広げたときの幅、いわゆる「くぱぁ」した状態での一番長い幅を測定しています。
 色素沈着度は、対象部位の色の黒ずみを10段階で評価したものです。
 数字が大きくなるに連れて、黒ずみが段々と深くなってくるということです。

 これらの情報は、月に一度の健康診断で得られたデータをもとに更新していますが、ここに表示されるデータは本人であることを証明するものとなっておりますので、万が一大きく差が生じてしまっては大変です。
 そのため、ときおり男性社員や警備員によって抜き打ち検査が実施されることがあります。
 私たちも、その抜き打ち検査を潤滑に行えるように、自分の性器を測定するためのノギスやカラーマップを携帯しています。
 ……私の乳首とクリトリスを測定したい……ですか?
 ……わかりました。
 それではノギスをお貸しいたしますので、どうぞ表示しているデータと比べてみてください。

 …………どうでしょうか?
 ……わかりました。
 大きく差がなく一安心です。
 ……ですが、ついでに行われました膣の奥行き測定中に、測定には直接関係のないような動きが多々あったように見受けられます。
 もう少し慣れて余分な動きをなくしていただけると、スムーズに測定ができるかと思います。


 以上が、我が斉藤商事で定められています社則です。
 では最後にここまでお付き合いくださいました皆さまの、「お見送り」をいたしたいと思います。
 はじめに皆さまをお出迎えした際にした姿勢を覚えていらっしゃるでしょうか?
 ……そうです、立ちがに股で腰を突き出し、両手でオマンコを広げた姿勢が、お客様をお出迎えするときの姿勢です。
 この姿勢でお出迎えすることにより、自分が社内の人間であることを認識していただくとともに、いらっしゃったお客様に感謝の意を示しております。
 また「お見送り」するときにもお出迎えのときと同じ姿勢をするのですが、「お見送り」では最後のごあいさつとして、お客様に広げたオマンコの中に指を入れて愛撫をしていただき、一度絶頂を迎えてご覧になっていただく決まりとなっています。
 最低限オマンコの中に指を入れていただくことになっておりますが、性器の他の部分や、身体のほかの部分を愛撫をしていただいても構いませんので、オマンコに指をお入れする以外の方は、乳首やアナルなど、お好きなところを愛撫してください。
 では「お見送り」をいたしますので、どうぞ遠慮なく私を逝かせてください。

 …………っ、そ、粗相をしてしまい、大変申し訳ございません。
 皆さまの指使いが大変気持よかったもので、思わず潮を吹いてしまいました。

 それでは、今まで長い時間、説明をお聞きくださりありがとうございました。
 我が斉藤商事の社則が皆さまのお役に立てればと思います。



文章:(´・ω・`)さん
修正/挿絵:ロック


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